注目の企業 ~ セガ第一研究開発本部

コンシューマゲームからアーケードゲーム、アミューズメント施設から携帯・スマートフォンなどなど、エンターテイメントに関わるあらゆる分野で「面白い製品」を生み出してきたセガ。今回は、その中でも最も幅広く製品開発を行っている 第一研究開発本部の方にセガでゲームを開発する面白さ、そこで求められるエンジニア像について取材しました。

■あらゆる事業ドメインに対応する第一研究開発本部

第一研究開発本部は、セガの開発部門の中で、最も幅広い事業ドメインに対応した部署です。レースゲームの金字塔「頭文字Dシリーズ」、メダル競馬の王道にして定番の「StarHorseシリーズ」、実際のカードを動かして遊ぶ「WORLD CLUB Champion Footballシリーズ」や「戦国大戦シリーズ」など、ゲームセンターでおなじみの人気ゲームから、スマートフォンアプリの新機軸「チェインクロニクル」。はては「トイレッツ」のようなデジタルサイネージなどの新規事業まで、幅広い分野の製品を開発しています。

「エンターテインメントそのものに興味を持つ開発者と仕事をしたいですね。」というのはソフト統括マネージャーの苑田さん。現在コンシューマゲームのみラインナップがされていないものの、ビデオゲーム、メダルゲーム、スマートフォンアプリ、キッズ向けゲーム、シミュレータ等、幅広いジャンルのプロジェクトが同時に走り、すべての分野でエンジニアを求めています。モニターの中だけにとらわれず、面白いモノを開発してみたいというゲーム開発欲のあるエンジニアと一緒に仕事をしたいそうです。

第一研究開発本部で開発している製品やサービスは、モニターの中にとどまらない遊びを提供するものがほとんど。レースゲームであれば、運転する楽しさやしびれるようなバトルの緊張感、いわゆる「エンターテインメントとしてのリアル」を筐体全体でお客様に提供します。そんな開発現場には、今までにないアイデアやこだわりを持っているエンジニアが数多く在籍しているようです。

「好きこそものの上手なれといいますが、車ゲームを開発するエンジニアは、実際に車好きで、毎日のように走りに行っている人もいます。他にも、サバイバルゲームに凝っている人、とにかくデジタルガジェットが好きで新しい製品に飛びつく人など、いろんなタイプがいますね。そういった経験は確実に開発に活かされます。かくいう私も、レースゲーム制作時は、毎週のようにレースやイベントを見ていました。結果、プロジェクトが終わってからも、ラリー観戦に行くくらい車好きになってしまいました。」と言うのは、ソフト開発セクション セクションマネージャーを務める矢儀さん。

「僕らが楽しいと思えないものを、お客様が楽しいと感じてくれるはずがありません。だから、普段から楽しいものを追求しているんです」と戦略企画室 ソフト統括マネージャーの苑田さんは言います。

面白さや新しさにこだわるエンジニア集団ではありますが、決して趣味の次元にとどまっているわけではありません。それらを「製品として」お客様にお届けするための「技術力」そして「人財」が第一研究開発本部の真髄です。

「物理計算、機械制御、通信などゲームに関わるあらゆる技術で突き抜けたレベルの優秀なエンジニアが在籍しています。高いレベルでの開発ができますし、なにより『業界』で目指すべき目標が目の前で働いているのですから、確実に自身の成長につながりますよ。」と矢儀さん。彼もセガのゲーム開発現場のど真ん中で鍛えられた一人です。

ソフト開発セクション セクションマネージャー 矢儀さん

ソフト開発セクション セクションマネージャー 矢儀さん

■プロとしてゲームを作るためには、原理の理解が求められる

ありとあらゆる分野で、数十ものプロジェクトが動く中、ネットワーク、データベース、コンピュータグラフィクス、AIなどなど、専門性をもったエンジニアを幅広く求めている第一研究開発本部。セガというステージで存分に力を発揮できる仲間を求める一方で、若手のエンジニアに対して危惧を抱いている部分があります。

「今はツールや開発環境が充実しているので、エンジニアの卵でも、興味を持って臨めば、とりあえず動くゲームを作ることはできます。でも、それがどうやって動いているのか、裏側の仕組みを知らないし、知ろうとしない人が多いんですよね。それだと実際の開発時に、手も足も出ないんですよ。プロとしてゲームを作るなら、原理を理解した上で、目的を達成する手段として、C++やJavaなどの言語知識を持って欲しいと思っています 」(矢儀さん)

エンジニアとしての人生がスタートした時点から開発ツールが開発ツールが充実する中で、本当に大事な本質的な原理をおさえていないエンジニアが増えていると指摘しています。

「今や素人でもとりあえずゲームが作れてしまう時代です。ただ、アプリケーションが正常な状態で動作し続ければいいのですが、実際にはそうはいかない。異常が出た時に対処できる知識を持っているかいないかがエンジニアとして重要なところですからね。ツールを使えば、動くゲームはできるかもしれない。でも、異常が出た時、原因を突き止めるためには原理を理解していないと、プロとしては通用しないですよ」(苑田さん)

ゲーム開発はバグとの戦い。エラーが発生したときに何ができるか、どう対処して正常にするかが本質的なエンジニアの手腕。ところが、エラーが出ると思考がフリーズしてしまうエンジニアが増えている今の状況の中で、求めるエンジニア像をうかがってみると。

「必要なものが無ければ、自分で用意できるエンジニアである必要がありますね。開発で必要であれば、ツール等を自作しちゃえるタイプ。生産性を上げるためなら、便利なツールを自分で作っちゃうのはウチではよくあることで、それって根幹の仕組みを知らないとできないですから」(苑田さん)

「定義された要件に正確にこたえるだけではダメで、与えられた仕事にプラスすることがゲームの開発には必要です。エンターテイメントですから『もっとこうしたほうが面白い!』と思うことを提案し、プラスする。ただ、そのアイデアを実現するために技術的な壁を自ら、そして共に乗り越えられる存在であって欲しいと思います」(矢儀さん)

エンターテイメントを突き詰めて、面白さを表現することに徹底的にこだわるゲーム職人であると当時に、技術の本質を理解し能動的に提案できるエンジニアを求めているのです。そこで実現できるのは、自分の想像を超える面白いゲームです。

戦略企画室 ソフト統括マネージャー 苑田さん

戦略企画室 ソフト統括マネージャー 苑田さん

■予定調和を壊す、期待を超える面白さを作る

ゲーム開発の魅力、そして怖さを苑田さんは映画製作に例えています。

「ゲームって映画に似た部分があって。ここで感情を盛り上げて、ぐぐっと引き込んで感動させるみたいな自分なりのシナリオがあって、それを数分間のゲームの中で表現するんですね。その通りにお客さんが感じてもらえた時には『してやったり』的な快感がありますよね。あと、グラフィックスにしろ、サウンドにしろ、プロフェッショナルがそろっているので、みんな一流のものを仕上げてくる。そんなプロの仕事を組み上げていくと、予定調和的なものではない面白い結果が生まれるんです。その驚きも仕事の面白さですね」(苑田さん)

さらに技術的面で言えば、リアルなモノの動きと連動するところ。これが他社の開発では経験できない面白さだと言うのは矢儀さん。

「第一研究開発本部での開発の面白さの一つには、ハードウェアとの連係があることですね。画面の中の動きだけじゃなく、筐体の動きもそこに連動させることで面白さを増幅させます。さらには、企画者や設計者の想像以上の動きをさせて誰も見たこともない「遊び」を実現できた時は快感ですよ。これが第一研究開発本部の開発の面白さであり、強みだと考えてます。」(矢儀さん)

各分野のプロフェッショナルが作ってきた『素材』を組み上げて、期待を超える面白さを実現させるのがプログラマーの果たすべき役割とお二人は言います。だからこそ、怖さも感じるし、面白さも体験できるのでしょう。最後にどんな想いを持った人に会ってみたいかをうかがいました。

「第一研究開発本部のゲームを見れば分かるんですが、車だったり競馬だったりサッカーだったり扱っている題材はバラバラですが、その表現やゲーム性にものすごいこだわりがあるんですよ。CG画面のリアルさだけじゃないですよ。『なんで、この筺体のこの部分が動くの?』みたいな意外性も含めて(笑)。そんなゲームを見て『よし、自分がもっとすごいものを作ってやる!』って思って欲しいし、そんな人にウチの門を叩いて欲しいですね」(苑田さん)


2013-10-30 | Posted in 注目の企業Comments Closed 

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