株式会社リブセンスCTO平山宗介氏が語るフルスタックエンジニアのススメ

成功報酬型の求人情報サイト「ジョブセンス(http://j-sen.jp/)」など人材サービスで急成長中のリブセンス。2012年10月には東証一部へ上場を果たしたことでも話題になりました。独自の新しいビジネスモデル、Webサービスを実現させるリブセンスでCTOをつとめているのが平山宗介さん。

大手SIerに入社後、平山さんの開発プロジェクトが未踏ソフトウェアに採択されたことをきっかけに転職。スタートアップ企業やフリーランスも経験しつつ、現在はリブセンスのCTOに就任。

さまざまな経歴を持つ平山さんに、Webサービスを創り出すことができるエンジニア像などについてうかがいました。

■リブセンスのエンジニアリング

キャリアラボ:まずは、リブセンスで成長しているサービスを教えてください。

平山:弊社で特にアクセスが増え、成長しているのは新規事業として取り組んでいる転職クチコミサイト「転職会議(http://jobtalk.jp/)」ですね。投稿されるコメントは増えてきたのですが、会社の評価や実態などをユーザーが書き込むクチコミサイトなので、意味のあるクチコミ内容を維持する運営に力を入れています。単なる愚痴やネガティブな情報が集まるのではなくて、企業の「実情」が分かるサイトにしたいと思っています

キャリアラボ:Growth Hackするために大切にしている技術要素ってどんなところですか?

平山:サービスを成長し続けさせていくためには現状把握が重要です。なので、ログを取得する技術やデータを分析したり解析したりする技術に力を入れています。
現時点ではエンジニアがFluentdやTreasure Dateでデータ分析をしつつ解析をしています。今後はデータ分析も専門チームを作り、分析はデータサイエンティストに任せていくことが課題です。ただし他のエンジニアもデータ分析や解析に関する知識を持っていないとデータサイエンティストとのコミュニケーションが取れないし、シナジーが生まれないと考えているので周りのエンジニアもデータ分析などのスキルをある程度のレベルまで上げて、全体を底上げしてくことが必要だと考えています。

キャリアラボ:なるほど。ひとりひとりがある程度まで分析も出来ることを目指し、その上で飛び抜けたエキスパートも持つと。リブセンスにいるエンジニアは、どんなタイプが多いんですか?

平山:やはりフルスタック型が多いですね。企画とタッグを組んでプロダクトを作り出せる人、一人で全部ひとつのプロダクトを作れる人が理想だと考えています。

株式会社リブセンス 平山宗介さん

株式会社リブセンス 平山宗介さん

■技術だけじゃない。アートや心理学などの多分野にも幅広く興味を持って欲しい

キャリアラボ:とはいえ、いきなりフルスタックになるのも難しい気もしているのですが、これからエンジニアで身を立てていこうと思っている若い方がエンジニアとして成長していくためには何をすべきだと思いますか?

平山:まずは、いろんなことに興味を持つこと。プログラムだけじゃなくて、音楽やアート、心理学など多分野にも幅広く興味を持つことが重要だと思います。エンジニアが作るのはプログラムであると同時にプロダクトです。より良い製品として、サービスとして世の中にリリースするために必要なのは、プログラムの知識だけじゃないと考えています。

キャリアラボ:確かに沢山の興味をもつことで着眼点も広がりますよね。
最近、技術勉強会やセミナーに参加するのが流行っています。技術を磨くというスタンスは大切だと思うのですが、そんな風潮をどう思いますか?

平山:勉強会に出ました、知識が増えました…だけで完結しても出る意味があまり無いのではと思ってしまいます。それが実務で使える技術になるかどうかが重要なわけですから。理想は、目標や作りたいプロダクト(=目指すべきアウトプット)が先にあり、それを現実するために技術を習得する(=インプット)というサイクル。アウトプットを意識しながら参加することが重要ですね。 

■選択肢を増やしながら、自分の軸を見つけていくべきだ

キャリアラボ:私が言うのもなんなんですが…、今の若いエンジニアに対して「こう生きて欲しい」とか「こうして欲しい」というメッセージっていただけますか。

平山:自分が独り立ちした時に食えるかどうかを意識すること。会社から離れたとしても、今の給与を稼げるかどうかを考えながら普段の業務に励んでみて欲しいです。そうじゃないと自分の価値を考えないでぼんやり過ごしがちですからね。

キャリアラボ:今の稼ぎを独りで稼げるどうか。でも、新卒からというわけにはいきませんよね。

平山:もちろん、ある程度のレベルまで達したエンジニアに向けてのメッセージです。例えば、一本立ちするとなると70%くらいのレベルではフルスタックで生きなくてはいけませんよね。そこに達するにはそれなりの技術スキルを身に付けている必要があるんです。

キャリアラボ:平山さんの場合はどうやって技術を身に付けていったのですか?

平山:それこそ、プログラムからデザインまで幅広い分野を勉強しましたね。新卒入社は大手SIerだったので仕事もこなしながら、外部の活動にも積極的に参加していました。その中で未踏ソフトウェア創造事業に出会って、会社では出会えない人脈や経験を積めたのは重要なターニングポイントでした。いろいろな技術を勉強しながら軸を見つけたら、そこに素早く移っていく行動力が必要なのでしょうね。

キャリアラボ:まずは一つのことを深堀りしてその上で選択肢を増やすということですね。そうすることで幅広い分野の中から自分や時代にフィットした専門性を選ぶという道筋ができると。
実際のご面接でも平山様は幅広く引き出しを持っている方に好感を持つとか。技術に関しても多くの技術のメリット・デメリットを知っていればいる程、“何がベストか”の選択時の幅が広がり、プロダクトのグロースにつながるというわけですね。

■会社という枠にとらわれない

キャリアラボ:独り立ちしても大丈夫になるくらいのレベルになるとか、いろいろな経験を積むといった場合、今の状況に左右されることが多いですよね。会社が提示した技術をどうしても使わざる得ない状況に陥る人も多いわけで。

平山:僕が新卒で入った会社では確かに会社から仕事を与えられていました。でも、社内勉強会を自分で立ち上げたり、外部との交流を図っている中である出会いがあったりして、そこから部署異動を希望しました。結局はそこから今の自分のキャリアがあるわけですよ。自ら動かないと何も始まらないんです。会社という枠を勝手に決めて、その中で動いているだけだと自分の枠を狭めてしまうことになりますよ。

キャリアラボ:興味の幅を会社という枠を超えるのであれば、自分で動かなくてはいけないのですね。さらに言えば、その興味の対象が仕事の成果になるように動くと。

■開発はもちろん「表現」したいエンジニアを求める

キャリアラボ:今、リブセンスで最も求めているエンジニア像を教えてください。

平山:0を1にするか、1を10へと伸ばしていくタイプのエンジニアがいるとしたら、前者を求めています。事業のタネを実際のビジネスへとつなげられるエンジニアを求めています。
具体的にはエンジニアとしてはフルスタックに近い方。かつ、先ほど言ったように、開発だけでなく芸術や心理学などの技術+αの興味や幅広い知識をウェブサービスへフィットさせて開発できる方ですね。どちらかというと、表現したい人が向いているんだと思います。

キャリアラボ:なるほど、それはなかなかいなさそうな…。

平山:でも、ウチには音楽や写真といった技術外のこともやっているエンジニアって結構多いですよ。中にはセミプロクラスでお金もらっちゃうレベルの人もいますしね。 サービスを生み出せるゼロイチのエンジニアって、純粋な技術志向ではないと思います。例えば、リブセンスのサービスは技術から生まれるわけではありません。技術だけでない引き出しの多さから新しいアイデアやサービスが生まれて、それを技術がカタチにしていくんです。引き出しの数が多ければ多いほど、ゼロイチで新しいものを作り出せるのではないでしょうか。

平山宗介氏プロフィール
大手SIerに入社して開発を担当。在籍中に未踏ソフトウェアに個人で開発していたプログラムが採択される。グリーに転職した後に2011年にはスタートアップ企業に参画。フリーランス経験の後に、2012年現職(リブセンスCTO)に就任。


2013-11-27 | Posted in 注目の企業Comments Closed 

関連記事